ファイナンシャル・プランナー(FP)とは

学習編

はじめに

ファイナンシャル・プランナー(FP)とは、顧客の家族構成をはじめ、収入・支出の内容、資産・負債、保険などあらゆるデータを集め、要望や希望・目標を聞き、現状を分析した上で、それに基づいて顧客のライフプラン上の目標を達成するために、必要に応じて弁護士、税理士、保険・不動産などの専門家の協力を得ながら、貯蓄計画、保険・投資計画、税金対策などの包括的な資産設計(ファイナンシャル・プランニング)を立案し、その実行を手助けしていく専門家です。
そしてFPは、パーソナル・ファイナンシャル・プランニング(個人を対象)を行う専門家となります。

FPの必要性

FPは1929年の世界大恐慌の後、1930年代には、米国で健康保険制度や年金制度が整えられ、個人においても総合的な生活設計や資産運用の必要性が芽生え始めていました。
日本では、1990年代後半に金融ビックバンが起こり、個人におけるファイナンシャル・プランニングに対するニーズが高まってきました。金融の自由化による資産運用への関心の高まりや、生命保険会社の統廃合に端を発した保険の見直し、社会保障制度の見直しによる公的年金の目減りを意識した老後資金の確保、景気停滞や消費税の増税など、私たちを取り巻く環境は大きく変化し、お金に関する様々な課題が浮き彫りになり、「自分の資産は自分で増やして守る」という考えが必要になっていきました。ですが、一般的に得られる情報だけでは十分な満足が得られず、ファイナンシャル・プランニングの必要性、ファイナンシャルプランナーの重要性が徐々に大きくなっていきました。それでも日本においては、多くの人が「自分のお金のこと」として考えられていなかったように思います。

わーん
わーん

おるきーは考えられていましたか?

おるきー
おるきー

若い頃はお金は貯めるもので増やすという意識は持てなかったです。

FPの基本

最初に言葉の使い分けの話です。ファイナンシャル・プランニングとはライフプランを実現するための資金計画を立てることを言います。そして、そのファイナンシャル・プランニングを実際に行う専門家のことをファイナンシャル・プランナー(Financial Planner)、つまりFPと言います。
このFPには、守るべき以下の原則があります。

FPが守るべき原則

顧客の利益優先
・FPは顧客の立場に立って、顧客の利益を最優先とするプランニングを行う必要がある。
秘密の保持
・顧客から得た個人情報を顧客の許可なく、第三者に漏らしてはいけない。
その他
・コンプライアンスの徹底
・顧客に対する説明義務
・利益相反事項の開示

当たり前のことにように思うかも知れませんが、FPは何よりも顧客の利益を最優先にしたライフ・プランニングを行わなければなりません。また、FPが業務上知り得た顧客の個人情報は、特別な場合を除いて、第三者に漏らしてはいけません。

FPが関わる6つの領域

FPを学習する上でも、FPの業務は大きく6つの領域に関わります。

ライフプランニングとリスクマネジメント

FPと倫理など、FPの基本的な考え方に加え、健康保険や雇用保険、公的年金といった社会保険の仕組みとその内容に関連する領域

リスクマネジメント

生命保険や損害保険、医療保険の仕組やその内容に関連する領域

金融資産運用

金融や経済の基本から、株式・債券・投資信託の仕組みに関連する領域

タックスプランニング

主に所得税や住民税、法人税、消費税の税率や考え方について学びます

不動産

不動産の売買契約、不動産に関する法令、税金などについて

相続・事業継承

相続に関する法律の基礎知識や相続税、贈与税などに関わる領域

わーん
わーん

FPって色んな領域に関わるのですね!

おるきー
おるきー

意外と学習する範囲が広かったりもします。

FPの活躍する場面

FPがファイナンシャル・プランナーとして仕事をする場合には、大きく分けて2つのタイプがあります。ひとつは「企業系FP」そしてもう一つは「独立系FP」です。
それぞれを簡単に説明します。

企業系FP

銀行や証券会社、保険会社などの金融系の企業で従業員として働くことをいう。

企業系FPは、それぞれの企業に勤め、顧客のライフプランの相談にのる、或いは企業の商品の一般的な紹介を行うなど、企業の本業を後押しすることに有効です。ライフプランの相談への対応は、FPの資格がなくても行うことができますが、FPの資格を有することで、顧客に安心感を与えることができますし、自身の自信にもつながりますので、顧客との信頼関係構築の一助になるのではないでしょうか。FPの資格は、こうした金融系の企業の業務に直結しているところもありますので、転職等のキャリアアップを考える際にも有効な資格の一つと言えます。

独立系FP

個人または複数人でFPの事務所を設立・開業していることをいいう。

独立系FPの業務は様々で、自分の専門分野について、個人のお客様の相談にのったり、セミナーや勉強会の講師、相談会での相談相手、或いは新聞や雑誌のコラム、ブログを書いたりしています。

わーん
わーん

FPは色々なシーンで必要とされるのですね。

おるきー
おるきー

FPの知識には、生活していく上でも知っておいた方が良いことがたくさんありますね。

FPで学習する内容や得られる知識は、仕事だけでなく、プライベートの様々なライフステージでも必要になることがたくさんあります。例えば、独立開業してみようと思えば、確定申告に関わる知識、身内に万一のことがあった場合の相続・事業継承の知識、住宅の購入を考えた場合の不動産の知識、その他、子供の教育資金や老後の年金、社会保障、健康保険など、知っておいて良かったと思えるシーンは様々です。是非、FPの知識を生かして、安心して充実した人生が送れるようになると良いですね。

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